『エンディングノート』

    1. もしも明日この命が終わるとして最期の一言を君になんて書き残そう
  1.  
      1. エンディングノート
      2. halation
      3. ビューティフル
      4. この夜をとめないで
      5. エンディングノート(Instrumental)
      6. halation(Instrumental)
    1. 2018.7.4 on saleAMHL-0005 ¥1,800(tax in)

  2.  
  3. Producer/Recording: 磯貝サイモン
  4.  artwork by matsuri
  5.  
  6.  
      [配信情報]
  7.  ●デジタル・シングル「エンディングノート」
  8.  2018.6.29 iTunes / Apple Music 先行配信スタート
  9. https://itunes.apple.com/jp/album/id1398775699&app=itunes

 

 

 

『音楽ライター・上野三樹さんによるライナーノーツ』

 

日常にある生きた夢がポップに花開いたホタバンのネクスト・ステージ。
彼らのこんな歌を、ずっと待っていた!

2017年の11月、ホタルライトヒルズバンドは小野田尚史(Dr)、藤田リュウジ(Key・Gt・Vo)、小倉大輔(Ba)、徳田直之(Eg)による4人編成になった。
2011年の結成以降、ホタバンにとって男女のツインボーカルというスタイルは、ふたりで生み出すハーモニーのみならず、僕と君の対話であるという楽曲の精神性そのものであった。
ゆうかの脱退により、その基本構造が崩れようと、4人になった彼らは少しも立ち止まろうとはしなかった。その様子に私は、いい予感しか抱かなかった。ホタルライトヒルズバンドは生まれ変わろうとしている、と。
そして2018年の7月。今回到着したニューシングル「エンディングノート」が、まさにその答えだった。1曲目に収録された表題曲「エンディングノート」は〈終活〉をテーマに書かれたそうだが、一聴してわかる通り、何とも幸せな気持ちが音から声から満ち溢れている。
それもそのはず。この曲は藤田が結婚してから初めて書いた曲だというのだ。かけがえのない存在に出会ったからこそ、遺しておくべき言葉は何なのか。それをポップにドラマチックに綴った、とびきりのラブソングに仕上がった。しかしまあ、結婚という新しい人生の幕開けに、終わりを意識した曲を書くというのも、彼らしいと言えば、らしいな(笑)。
何より〈下手くそな愛のオーケストラ/心のホールにお客さんは君ひとり〉と歌えたことが感慨深い。そう、たったひとりでいいんだ。どこかの誰かではなく、たったひとりのあなたに向かって歌えることは、彼にとって、そしてホタバンにとって大切な強さになる。全てのたったひとりのリスナーに届ける力になる。
〈なんだよその拍手〉なんて、クスリと笑えるようなラブソングに仕上がったこと、そんなこの曲で新生ホタバンが産声を上げることが喜ばしい。ファンタジーを創造するのではなく日常の中にある生きた夢がポップに花開いたネクスト・ステージ。聴けば誰もが優しく温かい気持ちになれる。ホタバンのこんな歌を私はずっと待っていたような気がした。
そして2曲目に収録された「halation」がこれまたスケール感&疾走感のあるバンドサウンドで、雄叫びコーラスも熱気を煽り、男ばかりになったホタバンの骨太さが際立つ。以前は男女ボーカルの歌がメインだったので、小野田と小倉と徳田も、それを際立たせるプレイ(職人たちのなせる技です!)に徹している感じだったのが、良い意味で全員が遠慮なく音を鳴らしていて気持ちいい。ホタバンのこんな豪快とも言える音を私はずっと待っていたような気がした。
3曲目には「ビューティフル」のリアレンジバージョンを収録。ただの綺麗事なんかじゃない、僕はビューティフルじゃなくても、と歌える藤田の正直な歌詞の素晴らしさを感じ取ってもらえる1曲だ。
そして4曲目の「この夜をとめないで」が、何ともたまらない。藤田はバンドの男性ボーカリストとしてかなり美声ランキング上位だと思うけど、今作のプロデューサーでもある磯貝サイモン氏も負けじと美声。美声×美声の掛け合い、マイナスイオンか何か出てそうなほどの良い塩梅。まさに今作における予想もつかなかった大収穫といった感じ。プロデューサー自ら歌で参加してくれて、意外なところに見事に着地しているこの曲も聴きどころです!
メンバーが映画『覆面系ノイズ』の演奏指導を担当したことで出会った俳優・小関裕太が「エンディングノート」のMVに参加しているなど、色んな繋がりが、とても良い形で実を結んでいる今のホタバン。出会いも別れも、これまでたくさんの出来事が積み重なった、今とこれからを祝福する今作の完成がとても眩しい。たとえ全てがビューティフルじゃなくても、ビューティフルを見つけ続ける日常こそが美しく輝くんだってことを、ちゃんと鳴らせるタフなバンドとして、ホタルライトヒルズバンドは生まれ変わったのだ。
ライター・上野三樹